―ただ、それだけの理由

 

山本陽子(著)

2019年3月1日 発売
ISBNコード 978-4434257148
四六判並製・184ージ

価格:1,296円(税込)

 

【Amazonで購入】

鉄男は父親から譲り受けた自宅を改造して弁当屋を営み、四年になる。アルバイトとして、父親の内縁の妻、寿美恵に手伝ってもらいながら、幼馴染のジョニーや誠、地域の人々に支えられ、新しいメニューの開発だけを考え、暮らしていた。妹のちいこから、21年前、8歳のときに、家出した母親との再会を訴えられているが、心の整理がつかず、一切、相手にしていなかった。ある出来事をきっかけに、封印していた母親への感情が溢れ、それ以来、母親の存在が鉄男のなかで大きくなっていく。母親に向き合うことは、母親の空白の21年間を知ること。揺れる想い、明らかになる鉄男のなかの愛と夢。そして、最後に鉄男が選んだ未来は‥‥‥。

著者プロフィール

介護職として従事した後、現場の指導者として、セミナー、講演会などで教育支援を行う。前作の小説「さいはてたい」は、若年性アルツハイマー型認知症の母親をもつ息子の失意や苦悩ゆえの選択を描き、2011年、テレビ朝日放・文芸社共同企画の第10回ドラマスペシャルとして、綾野剛、萬田久子、若村真由美(敬称略)によって放映された。(株)ケア・ビューティフル代表。専門書誌への執筆多数。