リアリズムの喫茶店

 

多田亮三郎(著)

2018年7月5日 発売
ISBNコード 978-4909570178
四六判並製・316ページ

価格:2,095円(税込)

 

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「なぜ儲からない喫茶店を20年以上もやっているのか」という根本的な問いかけに対するオーナーのこたえは、照れもあるのか、実に様々だった。
しかし共通していたのは、自分はこういう生き方しかできない、という開き直りとも思える諦観だった。
いいカフェのオーナーは、一日数人しか客が来なくても、「気楽にやっているからこれで十分」という気概にあふれていた。だとしたら彼らは、「金銭の彼岸」に到達している人生の達人なのかもしれない。
客はそんなマスターのいれる温かい珈琲を味わい、カフェの「優しい無関心」に癒され、ほっとして家に帰れる。
拙著は、50年間で2000万円以上喫茶店に注ぎ込んできた人間が描く会話形式のカフェ論であり、カフェオーナーやカフェオーナーを目指している人にはけっこう役立つ本だと自負している。
今主流のほんわかした夢のようなカフェ本ではなく、客目線に立ったかなりハードな本なので、覚悟して読んでほしい。

著者プロフィール

1947年徳島市生まれ。高校は昔の徳島城南高校。1974年東京大学印度哲学科大学院修士課程修了。
院修了後、東中野の不動産会社に就職するが、半年ほどで退職。
その後日本橋のマーケティングリサーチの会社に就職し、編集や営業業務を2年半ほど行う。
1977年大阪の府立高校の社会科教諭となり、35年間勤め、2012年退職。
昨年末(2017年11月)に出版した『リアリズムの学校』は、学校現場での赤裸々な体験をまとめた職場論で、今回紹介する『リアリズムの喫茶店』は、喫茶店通いがこうじた末の趣味論で、現在執筆中の『リアリズムの倫理』は、三部作最後の幸福論となる。