「福沢諭吉の人間模様 ―〝近代化の扉〟を開いた不屈の人―」(著・大山勝男)を発売!
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書籍概要
〝冒険人〟福沢諭吉を取り巻く人間模様
「情海の波」に押し流されないためにと警鐘
慣れ親しんだ1万円札の肖像が福沢諭吉から「日本資本主義の父」と呼ばれた明治の実業家、渋沢栄一に刷新された。1984年の新札起用から約40年間、諭吉は一万円札の肖像であり続けた。
諭吉が学んだ適塾での青春時代に焦点をあてて取材を進めると、当然大坂だけでは収まりきらないスケールのでかい諭吉の魅力を知ることになった。興味を持ったのは、諭吉を取り巻く人間模様だった。
早稲田大学の創立者大隈重信、明治維新の三傑の一人、西郷隆盛、江戸無血開城を西郷と交渉した江戸幕府陸軍総裁の勝海舟、そして諭吉から新1万円の肖像を引き継ぐ渋沢栄一、「近代日本医学の父」と言われる北里柴三郎ら魅力的な人物との交流の数々。
そして驚いたのは、諭吉は現在の情報社会を予見していたことだった。情報が地球上を駆け巡る文明社会が到来し、毎日膨大な量の様々な情報が飛び交うなかで、人々は「情海の波」に飲みこまれてしまい、情念や感情に突き動かされ、深刻な分裂や衝突が増大すると予測した。「情海の波」に押し流されないために諭吉は深い思索をもとに行動する学問と、自由な社会の創設が肝要になると警鐘を鳴らした。