ソウルで逮捕勾留されて解った 代用監獄 DAIYO-KANGOKU 問題

 

間々田久太(著)

2022年7月22日 発売
ISBNコード 978-4910782157
四六判並製・220ページ

価格:1650円(税込)

 

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「今、なぜ、代用監獄問題なのか?」
物事には表と裏があり建て前と本音があることは世の常であるが、特に、最近の日本では表と裏の差が大きくなっている様な気がする。例えば、表の日本は世界第3位の経済大国で世界最大の債権大国でもありG7国家として欧米先進諸国と肩を並べ、自由と民主主義を標榜する国として人権意識も高いと思われている。

一方で、裏の日本の国としての借金は1,000兆円を超え2021年の1人当たりの名目GDPは世界28位に沈み、日本の勤労者の賃金は20年以上、増えない状況が続いている。つまり、外向きの建て前としては豊かな先進国を演じつつ、国内の実態は既にOECD下位の国に成り下がっている。

そして、この様な表と裏の差の拡大はあらゆる分野に及んでいる。その1つの問題として本書が取り上げたのが「代用監獄問題」である。もともと、代用監獄とは被疑者を裁判所に連れて行くまでの一時的に留め置く場所を意味するが、2005年に「監獄法」が100年振りに「刑事被収容者処遇法」に全面改正された現在でも代用監獄が刑事収容者施設の主役となっている。
「法務省平成27年の検察事務の概況」によると、勾留されている全被疑者の約98.3%が代用監獄に勾留されているからだ。過去、代用監獄における自白の強要が冤罪事件の温床になったことは歴史が証明している。

つまり、表向きは世界有数の治安の良い国であるが、日本の被疑者の人権は100年間、全く見直されずに現在に至っている。この様な現実を諸外国は中世の名残である「DAIYO-KANGOKU」として批判しており、大げさに言えば日本の被疑者の人権はロシア・中国・北朝鮮クラスと言われても仕方がないのが現状である。

本書では第1章~第4章で筆者の韓国での体験を基に韓国の代用監獄問題について考察し、第5章で日本の代用監獄問題を考える比較対象としている。そして、最後に日本の代用監獄問題に対する本書の提言に繋げている。

著者プロフィール

大手証券会社・大手出版社に通算で約30年勤務した後、2005年に独立して文筆業に転身。
当初は業界新聞や業界雑誌に主に株式投資についてのコラムを執筆していたが、
2005年に自費で実用書を2冊出版した後、電子書籍でノンフィクション「衝撃告白・証券会社の裏側」(2011年・アブサン)、
小説「分水界」(2015年・アブサン)をリリース。
その後、ソウルに居を移してからは日韓関係にテーマを絞り主にネットで執筆活動を続けてきた。
今回、初のノンフィクション単行本として本書を出版させて頂いたが、
今後も韓国在住の日本人の公平公正な視点で日韓関係についてのノンフィクション本の執筆に注力していきたい。